イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ラジオ人は曲をぞんざいに扱わないで欲しい

昨日のエントリー(弘前市のレンタル店、メディアイン2店舗が今月末で閉店という事態に )の最後の一文において、自分の思いを記載しました。いい音楽に触れていただけるためには、発し手がいい音楽を集めるべく感度を磨くことも大事ですし、そのいい音楽をより心地良く届けることでリスナーの感性に引っ掛かるようにすることもまた大切だと思っています。

その点において、一昨日聴いたラジオのとあるコーナーを挙げさせてください。はっきりいって酷過ぎました。大袈裟かもしれませんが、音楽の良さを潰しかねない行為だと考えています。

 

JFN系で放送されている『face』(月-木曜 13時30分)の中で、14時15分からの5分間、エフエム青森では"JFNブランニューヒッツ"というコーナーが流れます(コーナーのホームページがないため、『face』のWikipediaを掲載)。6月11日の放送では星野源「SUN」が流れていたのですが、昨年の「桜の森」を踏襲したような星野源的ディスコティーク感満載の好曲の紹介があまりにも下手だったのです。あまりの酷さに喋り手(『face』木曜担当の玉川美沙さんとは別の方です)の名前を失念してしまいましたが...。

 

コーナーの問題点を挙げるならば。

・コーナーがはじまると同時に曲がかかったのですが、喋り手のイントロ乗せがきちんと出来ていない

・曲の途中、サビの真っ只中というキリの悪いところで喋り手が再び登場

・武道館でのコンサート告知の際、喋り手が「この曲なんかもやってくれるでしょうか?」という表現を用いており、"なんか"が強く引っかかる

・5分の尺のがあるコーナーにて、曲が終了後、また頭からリピート

・ブランニューヒッツと銘打っていながら、今後リリースされる曲ではなく半月前に発売済の曲を流していた(ただしこれは賛否あると思います)

 

"なんか"…人によっては見下した表現にも聴こえかねません。よくこの表現でOKしたなあと愕然としてしまいました。

またイントロ乗せ、そして曲の途中での喋り手の入り方はその喋り手(およびディレクター)のセンスの問題でもありますが、ラジオDJセミナー等で技術を習得することは可能です(ラジオDJ イントロ乗せの極意(2012年10月15日付)より)。曲を活かすも殺すも紹介の心地良さ(悪さ)次第であり、良い曲紹介はリスナーが曲に対するイメージをアップさせ、また引っ掛かりを増やします。今回の「SUN」の紹介においては、イントロの秒数や曲の展開を確認していないことは自明であり、よくもそういう軽い扱いをしたなあと思うのです。

 

他方、このコーナーを内包した『face』においては、各曜日パーソナリティにイントロ乗せ等の技術の差はあれど、木曜担当の玉川美沙さんの技術は素晴らしく、イントロ乗せを高い割合でこなしています。そしてメッセージ紹介から曲への流れ(前の話題から曲に関連させるのが巧い)も非常にスムーズで、曲そのものや歌手への愛情もひしっと伝わってきて、曲をぞんざいに扱わないことがよく分かります。JFNが雇っている方に教科書的な存在がいらっしゃるにも関わらず、JFNの"中の人"(かどうかは分かりませんが)は一体何をやっているのか…苦言を呈してしまいたくなるのです。

 

 

先述した"JFNブランニューヒッツ"担当DJの姿勢、これが"JFN"を冠した番組で平然となされているのならば、もしかしたらJFN自体が曲に対して軽い扱いをしている(許している)と言っても過言ではないかもしれません。軽い扱いはしていないしするはずがないというのであれば、コーナーの見直しはしてほしいですし(コーナーの場合、ひとりでディレクションもミキシングもこなす場合が多いため、別の方の目が必要)、そしてもっと曲を大切に扱う意識をもってほしいのです。発し手の技術や愛情は最終的にリスナーに届き、ひとりでも多くの方がCDを手に取る方向に活きていくはず。そしてこの考えこそ、ラジオ人の支柱になければならないことだと思うのですが、いかがでしょうか。