face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

米ソングスチャート、マライア・キャリーのクリスマスソングがストリーミング効果でトップ3入り

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

新年1回目は火曜恒例の米ビルボードソングスチャート速報をお送りします。

 

 

現地時間の12月31日月曜に発表された、1月5日付最新チャート。アリアナ・グランデ「Thank U, Next」が通算7週目の首位を獲得、またクリスマスソングの定番曲がトップ10内に4曲もランクインしています。

実は先週のチャート紹介の際、『次週の集計期間がクリスマス後も含まれるため、クリスマスソングがチャートを賑わせるのは今週がラストかもしれません』と書きました。集計期間がデジタルダウンロードおよびストリーミングが12月21日から、ラジオエアプレイは12月24日からの1週間であり、クリスマスソングがかかるのは前者が5日、後者が2日…集計期間的に不利だと思ったのです。しかしながら今週、トップ10には4曲ものクリスマスソングが登場。そしてアメリカにおけるクリスマスソングのヒットの原動力はストリーミングだと書きましたが。

今週のストリーミング指標では、この曲が遂に1位となったのです。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が総合で7→3位にジャンプアップ。クリスマスソングとしてはソングスチャートがスタートした1958年以降で2曲目となるトップ5入りを果たしたこの曲は、ストリーミングで前週比49%も上昇し5190万を獲得。同指標トップに立ったのみならず、クリスマスソングとして初めてストリーミング指標を制しました。またデジタルダウンロードは同13%アップの16000となり、これらの勢いにより、同曲が収録(初出)されたアルバム『Merry Christmas』も8位に上昇。『Merry Christmas』は24年ぶりにアルバムチャートトップ10返り咲きを果たしました。

クリスマスソングのトップ10入りはマライアだけではありません。前週10位に入ったアンディ・ウィリアムス「It's the Most Wonderful Time of the Year」はランクダウンしたものの。

・8位(前週13位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

・9位(前週11位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

・10位(前週12位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

と、往年の名曲が続々トップ10入り。ストリーミングにおいては「Jingle Bell Rock」が前週比53%アップの4420万(同指標2位)、「Rockin' Around The Christmas Tree」が同50%アップの4490万(同指標3位)、「A Holly Jolly Christmas」が同36%アップの4260万(同指標4位)…つまりストリーミングの上位4作品は全てクリスマスソングとなるわけです。クリスマスソングのチャート上昇を牽引しているのがストリーミングだというのが完全に証明されましたね。

クリスマスソングの名曲を持っている歌手は記録も呼び寄せます。ボビー・ヘルムズはソングスチャート開始後間もなく、「Borrowed Dreams」が1958年8月18日付で100位以内にランクイン。しかしトップ10入りの経験がないまま1997年に亡くなったのですが、今週「Jingle Bell Rock」が初のトップ10入りを果たしたことで、ソングスチャートへの初のランクイン以降、トップ10入りするまでの最長記録を達成しました。その期間、実に60年4ヶ月と2週間です。

ブレンダ・リーは今回が13曲目となるトップ10入り。「Rockin' Around The Christmas Tree」の前は「Losing You」(1963 6位)となり、55年7ヶ月ぶりのトップ10入り。前週のアンディ・ウィリアムス「It's the Most Wonderful Time of the Year」の記録をおよそ8年も上回ったのですが…しかしそれをさらに上回ったのがバール・アイヴス。1962年5月に「Funny Way Of Laughin'」がトップ10入りして以来、今回の「A Holly Jolly Christmas」がなんと56年7ヶ月と2週間ぶりとなるトップ10入りとなったのです。

今回3曲の新規トップ10入りを含め、クリスマスソングのトップ10入りは60年のチャートの歴史において合計9曲となりました。その半数近くとなる4曲が今年新たにトップ10入りしたわけで、ストリーミングの凄まじさを実感します。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) アリアナ・グランデ「Thank U, Next」

2位 (2位) ホールジー「Without Me」

3位 (7位)  マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

4位 (3位) トラヴィス・スコット「Sicko Mode」

5位 (4位) ポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」

6位 (6位) パニック・アット・ザ・ディスコ「High Hopes」

7位 (5位) マシュメロ & バスティル「Happier」

8位 (13位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

9位 (11位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

10位 (12位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

アリアナ・グランデ「Thank U, Next」はストリーミングが前週比13%ダウンの3790万で、クリスマスソングに押される形で同指標9位に急落。ラジオエアプレイは同4%アップの9000万(同指標5位)、デジタルダウンロードはクリスマス時期特有のセールス効果により前週比86%もの大幅アップで43000(同指標3位)に。一方2位のホールジー「Without Me」はデジタルダウンロードはそこまで伸びず前週比27%アップの47000(同指標1位)、ストリーミングが前週と変わらず3200万(同指標12位)、ラジオエアプレイが同4%アップの9180万(同指標4位)。総合ポイントでは「Thank U, Next」が前週比2%、「Without Me」が同5%共に増加しています。3指標のうちストリーミングが最もウェイトが高いとみられ、その点では次週はアリアナ・グランデが有利でしょうがしかし、同指標で急落しているようにみえるのが気がかりです。

 

次週はクリスマスソングが一気に消えること必至。既にラジオエアプレイにおいては集計期間の関係上、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が前週比41%もダウンし2420万、同指標で18→43位に急落しています。逆に言えばクリスマスソング以外が上昇するわけで、どの曲が勢いづくのか、首位交代はあるのかに注目です。