イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

この1ヶ月で生まれた様々なゴスペル的邦楽が沁みる

昨日、最新8月19日付ビルボードジャパンソングスチャートを取り上げた際に紹介したOfficial髭男dism「宿命」(ソングスチャート4位)の、新たなミュージックビデオが公開されました。

このブラスバンドバージョンは、ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM/JFN 月-金曜22時)で生まれたもの。

良い意味で意外だったのは、コーラスの挿入。オリジナルバージョンでも入っていましたが、このコーラスが入ることで祈りや願い、己を信じることといった前向きな力がより強く表現されているように思います。この前向きな力を示したコーラス隊…いわばゴスペル(的アプローチ)導入の判断は実に見事だと思うのですが、Official髭男dismにとっては昨秋のシングル「Stand By You」でこのアプローチを実行していたんですよね。

とりわけ、この曲のアコースティックバージョンがよりゴスペル感を強くしていたのでそちらも是非。下記ブログエントリーにて取り上げています。

 

偶然かな、この1ヶ月間でゴスペル的な作品群に触れる機会が増えています。映画『天気の子』に用いられているRADWIMPS feat. 三浦透子「グランドエスケープ」もそのひとつ。先週放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜20時)ではゴスペルクワイアのBe Choirがバックを担当していました。

(※この動画は公式ではありませんが、昨日のブログエントリーに貼付した(ものの今朝までに削除された)動画同様、RADWIMPSの所属事務所名が動画説明欄にクレジットされており、違法アップロードされたものが所属事務所の承認を経て”半ば公式に”ミュージックビデオと化しただろうことを踏まえ、紹介させていただきます。もしかしたらレコード会社が削除を依頼しているのかもしれませんが、ならばレコード会社側が”公式に”ミュージックビデオやリリックビデオを用意してほしいと願います。)

 

そしてクワイアの登場はありませんが、中村佳穂さんが今月リリースした「q」は、優しい歌声と”Trust you”という言葉が背中を押してくれるかのようです。

 

不安且つ不安定、混迷を極める時代。他者を卑下しないと自己を保てない(とはいえそのアプローチによる自己の確立はあまりに脆いものですが)…そんな人が増えた現代にあって希望を、前向きな力を謳う音楽はより深く沁み込むかのようです。その力を授かり、純粋に自己を高めていけたなら好いですね。