イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

アルバムチャートが全米を制したミーゴスが放つ、有名人を冠した曲

昨日速報をお伝えした2月18日付、米ビルボードソングスチャート。最新作『Culture』で同週のアルバムチャートを制したミーゴスの楽曲が100位中7曲エントリーを果たしており、人気や注目の高さを物語っています。

そんな中で気になったのが、58位にエントリーした「Kelly Price」。

ラヴィス・スコットをフィーチャーしたこの曲ですが、R&B好きにはそのタイトルに”!?”となること請け合い。というのもタイトルに用いられているケリー・プライスとは、R&B界で四半世紀以上活躍し、来年メジャーデビュー20周年を迎える女性歌手なのです。彼女の代表曲にしてホットR&B/ヒップホップソングスチャートを制したデビュー曲(のリミックス)をまずは紹介します。

記憶が正しければ、彼女に対しその実力を認めていながらも見た目のことでデビューを渋っていたレコード会社に対し、デビューさせるよう尽力(一喝?)したのがアイズレー・ブラザーズのロナルド・アイズレー。リミックスではロナルドと、当時彼の作品を手掛けていたR・ケリーが参加しています。

で、オリジナルはより切実に、歌詞の世界である親友に男を取られた心の叫びが炸裂しています。

で、ミーゴスがこのケリー・プライスをタイトルにした意味が、実は彼女の熱唱にあるそう。

なんで『Kelly Price』っていうタイトルか?って言いますと、「俺は女の子・ギャルちゃんをケリー・プライスみたいに叫ばせて(スクリームさせて)やる。それぐらい気持ちよくさせてやる!」っていう内容の歌でして。

渡辺志保 Migosアルバム『CULTURE』と『Kelly Price』を語る - miyearnZZ Labo(1月31日付)より

個人的にはこの書き起こしを読んで『Culture』が気になって仕方なくなったのですがそれは置いといて、要はオリジナル版「Friend Of Mine」や下記の楽曲のような彼女の歌声の如き興奮をもたらすことが出来るんだぜ、というミーゴスの漲りソングなんですね。

3つ目の「Love Sets You Free」は大勢の男に囲まれているので一見ケリーが男をはべらせているように見えるかもしれませんが、この曲はヒップホップレーベルのデフ・ジャム内に(当時)存在したR&B部門のレーベル、デフ・ソウル所属の歌手によるゴスペル(的)ソング。ゆえにこの曲をスクリームの例に挙げるのはためらいもありましたが…とはいえ、大勢の男性歌手のデュエット相手を独りで務める彼女の歌ヂカラはこの曲だけをとってもよく解るかと思います。

 

有名人の名を冠した曲は、たとえばゴリラズ「Clint Eastwood」など色々とありますが、その中に新たに加わった「Kelly Price」。現在もR&Bとゴスペル双方のカテゴリーで聖俗を行き来しながら活躍する彼女に、今一度注目が集まるならば嬉しいですね。