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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

今夜Tani Yuukiが登場するTHE FIRST TAKE、その人選や選曲からチャンネルのステップアップを感じる

Tani Yuuki「Myra」がビルボードジャパンソングスチャートで好調に推移しています。

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「Myra」は3月にショートバージョンがYouTubeで配信されるとTikTok等で人気が拡がり、レコード会社や芸能事務所未所属の瑛人さんによる「香水」を配信してビルボードジャパンソングスチャートで頂点を極めるのに貢献したデジタルディストリビューションサービスのTuneCore Japanを介し、今月はじめに配信がスタート。

リリース直後から順調なチャートアクションをみせ、ビルボードジャパンソングスチャートにおいてサブスク再生回数を基とするストリーミング指標では261.9万(7月13日付 同指標22位)→5137590(7月20日付 5位)と急上昇。しかし最新7月27日付では4959878(6位)となり微減に転じました。一方で、カラオケ指標では集計対象となる2つのサービス共に未配信(7月24日7時現在)、ラジオエアプレイも最新週にてようやく300位圏内というように、この2指標については動画を契機にヒットしはじめた曲のチャートアクション(こちらのブログエントリー等を参照)と同じ動きを辿っています。総合では前週より1ランクダウンし15位となっています。

踊り場から抜け出すためにはテレビで取り上げられる等で注目度を高め、ラジオエアプレイの上昇やカラオケ解禁等それぞれの業界で認知度を高めていくことが重要と捉えていますが、Tani YuukiさんはこのタイミングでYouTubeの人気チャンネル、THE FIRST TAKEに出演することがアナウンスされました。

曲名は不明ですが、「Myra」であることは確実でしょう。

 

THE FIRST TAKEについては一度このブログで取り上げました(下記引用欄参照)。出演者をまとめることで見えてきたのは、チャンネルを運営していることが確実なソニー・ミュージックの戦略の素晴らしさでした。一方で、このような懸念も浮かび、記しています。

舞台裏が見えれば興ざめ、いや反発すらする方もいらっしゃるかもしれませんが、自分はLiSA「紅蓮華」や女王蜂「火炎」等に強く惹き込まれ、歌ヂカラの凄さや、きちんとフルバージョンで披露する意義を提示してくれたこのTHE FIRST TAKE企画は見事だと思っています。

(中略)

ソニー・ミュージック所属歌手のほぼ独占状況がここまで続くと、先述した反発等のアレルギー反応を起こす方がいらっしゃるだろうということがひとつ。また最近はギターセッションも行われていますが、仮にひとりでもソニー・ミュージック以外に所属していればこのようなセッションや客演が出来ないという問題が発生します。そして歌ヂカラの凄さやフルバージョンでのパフォーマンスが音楽番組等に好い影響を与える可能性がありながらも、ソニー・ミュージックの専売特許ゆえに他のレコード会社が真似出来ず、ゆえにその影響が限定的になるのではないかということ。

(中略)

テレビを介して認知度がより高まった今こそ、ソニー・ミュージックはTHE FIRST TAKEを自社枠から少しずつ開放してほしいと願います。

THE FIRST TAKEに対する望みおよび上記執筆段階での現状をまとめると、THE FIRST TAKEには拡大のための4つのステップがあるのではと考えます。

ステップ1:ソニー・ミュージック系列の所属歌手がラインアップを独占

ステップ2:インディーズもしくはレコード会社未所属の歌手が登場

ステップ3:他のメジャーレコード会社の歌手が登場

ステップ4:他のメジャーレコード会社が同種のチャンネルを用意

先にTani Yuuki「Myra」はTuneCore Japanを介して配信されたと書きました。となるとTHE FIRST TAKEはステップ2に該当することになりますが、個人的には3に近い2ではないかと思うのです。

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THE FIRST TAKEにはこの1ヶ月で、K-PopアクトのStray Kids、およびインディーズもしくはレコード会社未所属の歌手が続けて登場。そのうち優里さんおよびキタニタツヤさんは後にソニー・ミュージック系列からデビューすることがアナウンスされましたが、神はサイコロを振らないは異なります。

もしかしたらTHE FIRST TAKEの動画公開のタイミングでは所属先が決まっておらず、ソニー・ミュージックも名乗り出ていたのかもしれませんが、この件を踏まえればTHE FIRST TAKE出演歌手の選出基準はステップ3に近い2と言えるのではないでしょうか。

歌手の選出基準もさることながら、THE FIRST TAKEの選曲基準も変わってきたと感じています。動画、特にTikTokでの人気がきっかけにストリーミングで火がつき、ビルボードジャパンソングスチャートでHot 100入りしている曲が増えているのです。

Rin音「snow jam」(最新7月27日付38位)のみならず、神はサイコロを振らない「夜永唄」(同78位)や優里「かくれんぼ」(同50位)はこの数ヶ月で火が付いた曲。いずれも歌詞検索サイトのUtaTenで紹介されています。

THE FIRST TAKEはおそらくソニー・ミュージックの運営だとして、系列には他にも沢山の歌手がいらっしゃるはずですが、その選曲基準を変えてきたという印象を抱いています。

 

Tani YuukiさんのTHE FIRST TAKE(厳密に言えばTHE HOME TAKEですが)のデビューは本日22時。別バージョンはオリジナルに合算されないというビルボードジャパンのチャートポリシーを踏まえれば、今回の動画が直接動画再生指標に寄与するということにはなりませんが、サブスクの再生回数等に影響を与えることは確実。次週のチャートを注視しましょう。

そしてTHE FIRST TAKEの今後の人選や選曲から、レコード会社の区別なく日本の音楽業界全体に大きく貢献するYouTubeチャンネルになっていくか、見極めたいと思うのです。